地震や台風などの災害が起きたとき、「エコキュートのお湯は使える?」「停電や断水になったらどうすればいい?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
エコキュートは電気と水道の両方を使うため、停電・断水時には通常どおり使えなくなることがあります。
一方で、貯湯タンクの中には大量のお湯や水が貯められているため、機種や被災状況によっては、災害時に非常用の生活用水として取り出せる場合があります。
この記事では、停電・断水・地震が起きたときのエコキュートの扱い方から、タンクの水の取り出し方、復旧後の注意点まで分かりやすく解説します。

結論|災害時は「停電・断水・本体の損傷」で対応が変わる
最初に結論です。
災害時にエコキュートが使えるかどうかは、災害の種類や設備の状態によって変わります。
まずは次の表を目安にしてください。
| 状況 | 通常どおり使える? | 貯湯タンクの水 | まず確認すること |
|---|---|---|---|
| 停電 | 基本的に通常運転はできない | 取り出せる機種が多い | 停電範囲・本体の状態 |
| 断水 | 通常使用は難しい | 非常用水として使える場合あり | 断水情報・給水状況 |
| 地震 | 状態による | 損傷がなければ使える場合あり | 転倒・水漏れ・配管 |
| 台風・豪雨 | 状態による | 本体の状態による | 浸水・水漏れ・電気系統 |
| 落雷 | 故障する場合あり | 本体の状態による | エラー・ブレーカー |
特に覚えておきたいのが、エコキュートは停電や断水で給湯できなくなっても、貯湯タンクの中まで空になるわけではないという点です。
370Lタイプなら最大370L程度、460Lタイプなら最大460L程度を貯めるタンクがあります。
ただし、これはそのまま「飲料水が370L・460L確保できる」という意味ではありません。
災害時に取り出したタンクの水は、基本的に生活用水として考え、飲用についてはメーカーの取扱説明書に従ってください。
また、地震や浸水などで本体や配管が損傷している場合は、無理に使用しないことも重要です。
ヒートポンプ太郎エコキュートというと「電気でお湯を沸かす設備」というイメージが強いですが、大きな貯湯タンクを持っているのも特徴です。
災害時には、このタンクが役立つ可能性があります。
ただし、非常用水の取り出し方法はメーカーや機種によって違うため、平常時に取扱説明書で確認しておくことをおすすめします。
災害時にエコキュートでできること
災害が発生したからといって、必ずエコキュートが故障するわけではありません。
状況によっては、次のような使い方ができます。
- ・停電復旧後に通常運転へ戻す
- ・タンク内の水を非常用の生活用水として利用する
- ・断水復旧後に給水状態を確認して運転を再開する
- ・災害後に本体や配管を点検して継続使用する
特に災害時に知っておきたいのが、貯湯タンクから水を取り出せる場合があることです。
エコキュートは毎日使う給湯設備でありながら、非常時には大量の水を蓄えている設備でもあります。
エコキュートのタンクにはどれくらい水が入っている?
一般家庭でよく使われるエコキュートには、370Lや460Lといった容量があります。
| タンク容量 | 主な使用人数の目安 | タンク容量 |
| 370L | 3〜5人程度 | 約370L |
| 460L | 4〜7人程度 | 約460L |
例えば370Lタイプなら、満水に近い状態では約370Lの水またはお湯がタンク内に入っています。
ただし、実際に非常時に取り出せる量は、
・使用直後かどうか
・タンク残量
・機種
・本体や配管の状態
などによって変わります。
「370Lタイプだから必ず370L使える」と考えないようにしましょう。
→ エコキュート370Lで4人家族は足りる?容量選びを詳しく解説
→ エコキュート460Lはどんな家庭におすすめ?370Lとの違いを解説
タンクの水は飲める?
ここは災害時に非常に重要なポイントです。
エコキュートの貯湯タンクから非常用取水として取り出した水については、そのまま飲料水として使う前提にはしない方が安全です。
メーカーや機種によって注意事項が異なるため、必ず使用しているエコキュートの取扱説明書を確認してください。
災害時には、
・トイレを流す
・掃除
・洗い物
などの生活用水として役立つ可能性があります。
一方で、飲み水については別途ペットボトルなどで備蓄しておくことをおすすめします。
つまり、
「エコキュートがあるから飲料水の備蓄はいらない」
という考え方はおすすめできません。
エコキュートのタンクは、あくまで災害時の生活用水を確保できる可能性がある設備として考えておくとよいでしょう。
災害が起きたら最初に確認すること
停電や断水が発生したとき、すぐにエコキュートを操作する必要はありません。
まず周囲の安全を確認してください。
そのうえで、エコキュートについて次の順番で確認します。
本体が傾いたり転倒したりしていないか
地震のあとに最初に確認したいのが、貯湯タンクとヒートポンプユニットの状態です。
エコキュートの貯湯タンクは満水時には非常に重くなります。
大きな地震では、
・本体が傾く
・アンカーボルト周辺に異常が出る
・配管が外れる
・配管が破損する
といった可能性があります。
明らかに傾いている場合や配管が外れている場合は、無理に使用しないでください。
水漏れしていないか
次に、本体や配管周辺を確認します。
災害後に、
「エコキュートの周りが急に濡れている」
という場合は注意が必要です。
ただし、ヒートポンプユニットから出る正常な排水と故障による水漏れは見分けにくい場合があります。
エラーコードが表示されていないか
電気が使える状態であれば、リモコンも確認します。
災害後にエラーコードが表示された場合は、むやみに何度も再起動するのではなく、エラー内容を確認してください。
→ エコキュートのエラーコード一覧|メーカー別の原因と対処法
漏電遮断器に異常がないか
落雷や浸水、電気系統の異常などによって、エコキュートの漏電遮断器が作動する場合があります。
漏電遮断器が上がらない場合や、上げてもすぐ落ちる場合は、何度も操作しない方が安全です。
停電したらエコキュートは使える?
停電時は、基本的にエコキュートの通常運転はできません。
エコキュートは電気を使って、
・ヒートポンプユニットを運転する
・お湯を沸かす
・リモコンを制御する
・各種弁などを制御する
仕組みだからです。
そのため停電すると、新しくお湯を沸かすことはできなくなります。
ただし、
「停電=タンクのお湯がすぐなくなる」わけではありません。
停電する直前までに沸かしていたお湯は、貯湯タンクの中に残っています。
停電中に蛇口からお湯は出る?
これは機種や給水状況によって異なります。
停電していても断水していなければ、条件によっては蛇口やシャワーから水・お湯が出る場合があります。
一方で、停電時には正常な温度調整ができなかったり、機種によって給湯できなかったりすることもあります。
そのため、
「タンクにお湯が残っているから、停電中でもいつもどおりお風呂に入れる」
とは考えない方がよいでしょう。
使用しているメーカー・機種の取扱説明書を確認してください。
停電中にやってはいけないこと
停電すると、
「故障したのでは?」
と心配になり、エコキュートを操作したくなるかもしれません。
しかし、地域全体が停電しているのであれば、エコキュートだけの故障とは限りません。
まずは家全体や周辺地域が停電しているか確認しましょう。
また、
・ブレーカーを何度もON・OFFする
・漏電遮断器が落ちるのに繰り返し上げる
・水漏れしている状態で運転する
・浸水したエコキュートへ通電する
といった行為は避けてください。
特に浸水した電気設備は危険です。
見た目では問題がなさそうでも、内部に水が入っている可能性があります。
災害後に本体の浸水や電気系統の異常が疑われる場合は、自分で復旧させようとせず、メーカーや施工業者などへ相談してください。
停電が復旧したらエコキュートはどうする?
停電が復旧すると、多くのエコキュートは再び使用できる状態になります。
ただし、すぐに普段どおり使うのではなく、最初にリモコンや本体の状態を確認しましょう。
確認したいのは次のポイントです。
・リモコンの表示が戻っているか
・エラーコードが出ていないか
・時刻設定がずれていないか
・沸き上げ設定が変わっていないか
・本体や配管から水漏れしていないか
・漏電遮断器が落ちていないか
特に長時間の停電では、機種によって時計などの設定を確認した方がよい場合があります。
設定がずれていると、本来沸き上げる時間帯に運転しない原因になることがあります。
停電復旧後にお湯が増えない場合
停電が復旧したのに、
「タンクのお湯が増えない。」
「朝になっても残湯量が少ない。」
という場合は、停電以外の原因も考えます。
例えば、
・沸き上げ設定が変わっている
・時刻設定がずれている
・ブレーカーが復旧していない
・漏電遮断器が作動している
・エラーが発生している
・ヒートポンプユニットが正常に運転していない
などです。
停電復旧後も夜間に沸き上げできない場合は、こちらの記事も参考にしてください。
→ エコキュートが夜間に沸き上げしない原因は?朝お湯がないときの対処法
また、漏電遮断器を上げてもすぐに落ちる場合は、電気系統の異常も考えられます。
何度も復旧操作を繰り返すのは避けましょう。
→ エコキュートの漏電遮断器が上がらない原因と対処法|危険なケースの見分け方
ヒートポンプ太郎停電が復旧したからといって、必ずすぐにお湯が満タンになるわけではありません。
停電中にタンクのお湯を使っていれば、そこから再び沸き上げる必要があります。
まずはリモコンの残湯量や沸き上げ表示を確認してみてください。
断水したらエコキュートは使える?
次に断水です。
結論から言うと、断水中はエコキュートを普段どおり使用しない方がよいでしょう。
エコキュートは、貯湯タンクからお湯を出した分だけ水道から新しい水が供給される仕組みです。
断水すると給水できなくなるため、通常の給湯ができなくなる場合があります。
「タンクに370L入っているなら、そのまま370Lのお湯が使えるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、通常の蛇口やシャワーから自由に使えるとは限りません。
災害時には、通常の給湯と非常用取水を分けて考える必要があります。
断水中にタンクのお湯を使い切ってはいけない?
断水中は、通常の蛇口から無理にお湯を使おうとするのではなく、使用している機種の取扱説明書に従ってください。
必要に応じて、貯湯タンクの非常用取水口などから水を取り出せる機種があります。
非常用取水の方法はメーカーや機種によって異なります。
そのため、災害が起きてから初めて調べるのではなく、平常時に確認しておくと安心です。
特に、
「非常用取水口がどこにあるか」
だけでも事前に確認しておくと、いざというときに慌てにくくなります。
断水時にエコキュートのタンクが役立つ理由
エコキュートの大きな特徴は、大容量の貯湯タンクを備えていることです。
一般家庭では370Lや460Lタイプが多く使われています。
断水した場合でも、タンク内に水が残っていれば、機種によっては非常用の生活用水として取り出せます。
例えば、
・トイレ用
・掃除用
・手洗いなどの生活用水
といった用途に利用できる可能性があります。
災害時には水道が止まると、飲み水だけではなくトイレや掃除に使う水にも困ります。
そのため、エコキュートの貯湯タンクは防災という面でもメリットがあります。
ただし、タンクから取り出した水の扱いについては、必ずメーカーの説明に従ってください。
エコキュートの非常用水は何日分になる?
「370Lあれば何日くらい使える?」
と気になる方もいるでしょう。
これは使用目的によって大きく変わります。
例えば、370Lのタンクが満水に近い状態だったとしても、
飲料水だけに使う場合と、
トイレや洗い物にも使う場合では、
消費する量がまったく違います。
また、実際にはタンク内のお湯をすでに使用していることもあるため、常に容量いっぱいの水が残っているわけではありません。
そのため、
「370Lだから家族4人で○日使える」
と単純に考えるのではなく、災害時の補助的な生活用水として考えるのがおすすめです。
飲料水についてはエコキュートとは別に備蓄しておきましょう。
断水中にやってはいけないこと
断水中は、エコキュートだけではなく水道配管全体の状態にも注意が必要です。
特に避けたいのは次のような行為です。
・断水中に何度も給湯操作を繰り返す
・非常用取水方法を確認せずにバルブを操作する
・熱いお湯が入っている可能性があるタンクから素手で取水する
・本体や配管が破損しているのに使用する
・断水復旧直後に状態を確認せず大量のお湯を使う
特に注意したいのがやけどです。
貯湯タンクの内部には高温のお湯が入っている場合があります。
非常用取水口から取り出す際も、熱いお湯が出る可能性を考えて慎重に作業してください。
断水が復旧したらすぐ使っても大丈夫?
断水が復旧しても、すぐにエコキュートを普段どおり使うのではなく、水道の状態を確認しましょう。
断水後は、水道管内に空気や濁りが残っていることがあります。
まずは自治体や水道事業者から出されている復旧情報を確認してください。
そのうえで、使用しているエコキュートの取扱説明書に従って復旧します。
メーカーや機種によって手順が異なるため、一律に「この操作をすれば大丈夫」とは言えません。
断水復旧後に濁った水が出る場合
断水復旧後に、
「蛇口から茶色い水が出た。」
「白く濁っている。」
といったことがあります。
この状態で、すぐにエコキュートへ給水するのは避けた方がよい場合があります。
水道事業者の案内を確認し、水道水が正常な状態に戻ったことを確認してからエコキュートを復旧させましょう。
異物などが設備内部へ入ると、ストレーナーなどに影響する可能性があります。
断水復旧後もお湯が出ない場合
断水が復旧したのにお湯が出ない場合は、
・給水が正常に戻っていない
・止水栓などが閉じたまま
・配管内に空気が残っている
・エラーが発生している
・別の故障が発生している
などが考えられます。
断水復旧後も症状が続く場合は、無理に操作を繰り返さず原因を切り分けましょう。
災害時にタンクの水を取り出す方法
多くのエコキュートには、災害などで断水した場合にタンク内の水を取り出すための仕組みがあります。
一般的には貯湯タンクユニットの下部付近に非常用取水口などが設けられています。
ただし、具体的な位置や操作方法はメーカー・機種によって異なります。
そのため、
「このバルブを回せばすべてのエコキュートで水が出る」
という共通手順ではありません。
実際に使用するときは、必ず取扱説明書を確認してください。
非常用取水で用意しておきたいもの
災害が起きてから探すのではなく、平常時に準備しておくと便利です。
例えば、
・バケツ
・ポリタンク
・耐熱性のある容器
・軍手
・懐中電灯
・エコキュートの取扱説明書
などです。
夜間に停電すると、エコキュートの周辺が暗くて非常用取水口を確認できないこともあります。
スマートフォンだけではなく、懐中電灯も準備しておくと安心です。
非常用取水口の場所を平常時に確認しておこう
災害時に初めて取扱説明書を探して、
「非常用取水口はどこ?」
と調べるのは大変です。
平常時に一度、
・メーカー
・型番
・非常用取水口の位置
・取水方法
を確認しておくことをおすすめします。
取扱説明書を紙で保管している場合は、すぐ取り出せる場所に置いておくと便利です。
スマートフォンなどに型番を記録しておく方法もあります。
ヒートポンプ太郎エコキュートの防災対策で私が一番おすすめしたいのは、特別な道具を買うことよりも、まず「自宅のエコキュートから非常用水をどう取り出すのか」を一度確認しておくことです。
災害時は停電していたり周囲が暗かったりするため、初めて操作するのは想像以上に大変です。
平常時に取扱説明書を確認しておくだけでも、かなり違います。
地震が起きたときエコキュートはどうする?
地震が起きた場合は、停電や断水の有無だけでなく、エコキュート本体や配管が損傷していないか確認することが重要です。
特に貯湯タンクは、満水時には本体重量とタンク内の水を合わせて非常に重くなります。
大きな揺れを受けたあとは、見た目では問題がなくても、
・貯湯タンクが傾いている
・固定部分に異常がある
・配管がずれている
・接続部分から水漏れしている
・ヒートポンプユニットが移動している
などの可能性があります。
地震直後は、すぐにお湯が出るか試すのではなく、まず周囲の安全を確認しましょう。
地震後に確認したいチェックポイント
エコキュート周辺へ安全に近づける状態であれば、次のような順番で確認します。
| 確認する場所 | チェックすること |
|---|---|
| 貯湯タンク | 傾き・転倒・大きな変形 |
| タンク周辺 | 大量の水漏れ |
| 配管 | 外れ・破損・水漏れ |
| ヒートポンプユニット | 移動・転倒・変形 |
| リモコン | エラーコード |
| 電気系統 | 漏電遮断器などの異常 |
明らかな異常がなければ、停電や断水の復旧状況を確認したうえで使用を再開します。
一方で、
「少し傾いているような気がする。」
「地面がかなり濡れている。」
「配管がずれている。」
という場合は、無理に使用しない方が安心です。
地震後に水漏れしている場合
地震による強い揺れで配管や接続部分に負荷がかかると、水漏れが発生することがあります。
特に注意したいのは、
・タンクと配管の接続部分
・給水配管
・給湯配管
・ヒートポンプ配管
などです。
ただし、エコキュート周辺に水があるからといって、すべて故障とは限りません。
ヒートポンプユニットでは通常運転でも結露水などが排出されます。
そのため、
「正常な排水なのか、それとも地震による水漏れなのか」
を切り分ける必要があります。
→ エコキュートが水漏れ!どこから漏れている?場所別の見分け方
地震後にエラーが出た場合
地震後にリモコンへエラーコードが表示された場合は、コードを記録しておきましょう。
メーカーやエラー内容によっては、一時的な異常で表示される場合もあります。
一方で、
・センサー異常
・給水異常
・ヒートポンプ異常
・通信異常
などが発生している可能性もあります。
エラーコードを確認せずに何度もリセットするより、まずコードを記録して原因を確認することをおすすめします。
→ エコキュートのエラーコード一覧|メーカー別の原因と対処法
地震でエコキュートが傾いたら使わない
地震後に貯湯タンクが明らかに傾いている場合は、使用を中止しましょう。
「少しくらいなら大丈夫だろう。」
と判断して使用を続けるのはおすすめできません。
貯湯タンクは非常に重量があるため、固定部分や基礎に異常が発生している可能性があります。
また、タンク本体だけでなく配管にも負荷がかかっている場合があります。
専門業者などへ状態を確認してもらいましょう。
ヒートポンプ太郎建築設備を見る立場からすると、地震後は「動くかどうか」だけで判断しないことが重要です。
本体が動いていても、固定部分や配管に異常が生じている可能性があります。
特に貯湯タンクの傾きや大量の水漏れがある場合は、無理に使用しないでください。
台風・豪雨のときエコキュートはどうする?
台風や豪雨の場合は、
・停電
・落雷
・浸水
・飛来物
などによる影響が考えられます。
通常の雨でエコキュートを停止する必要はありませんが、河川の氾濫や内水氾濫などで浸水した場合は注意が必要です。
エコキュートが浸水したら自分で電源を入れない
災害時に特に注意したいのが浸水です。
貯湯タンクやヒートポンプユニットが水につかった場合、外観上は問題がないように見えても内部の電気部品まで水が入っている可能性があります。
その状態で電源を入れると、
・漏電
・ショート
・基板故障
などにつながるおそれがあります。
浸水した可能性がある場合は、自己判断で再通電せず、メーカーや施工業者などへ相談しましょう。
豪雨後にエコキュート周辺が濡れていても水漏れとは限らない
台風や大雨の直後は、当然ながらエコキュート周辺も濡れています。
そのため、
「エコキュートから水漏れしている。」
と判断しにくくなります。
雨が止んだあとも水が増え続けている場合や、配管の一部分から継続して水が出ている場合は、水漏れの可能性も考えられます。
特に、
・タンク周辺だけ水が流れ続ける
・配管接続部から水が噴き出している
・水道メーターが不自然に動く
といった場合は注意しましょう。
落雷後はエコキュートのエラーを確認する
台風や雷雨では、落雷による電気系統のトラブルが発生する場合があります。
落雷後に、
・リモコンがつかない
・エラーコードが出る
・漏電遮断器が落ちる
・沸き上げできない
といった症状が出た場合は、電気系統や基板などに異常が発生している可能性があります。
特に漏電遮断器を上げてもすぐに落ちる場合は、繰り返し操作しないでください。
災害後にこんな症状があれば使用を中止する
停電や断水が復旧しても、次のような症状がある場合は注意が必要です。
| 症状 | 考えられる状態 | 対応 |
|---|---|---|
| タンクが傾いている | 固定部・基礎の異常 | 使用を中止して点検 |
| 大量の水漏れ | 配管・タンクの損傷 | 使用を中止して点検 |
| 焦げ臭い | 電気系統の異常 | 使用中止 |
| 異常な音がする | 機器・配管などの異常 | 点検を検討 |
| 漏電遮断器がすぐ落ちる | 漏電・電気系統異常の可能性 | 何度も上げない |
| エラーが消えない | 機器異常の可能性 | エラー内容を確認 |
| 浸水した | 電装部品への浸水の可能性 | 自分で再通電しない |
このような症状がある場合は、
「とりあえず動かしてみよう。」
と考えないことが重要です。
焦げ臭い・煙が出ている場合
焦げ臭いにおいや煙が出ている場合は、通常の故障とは分けて考える必要があります。
電気系統に異常が発生している可能性があるため、使用を中止してください。
安全に操作できる状況であれば電源を切り、メーカーや施工業者などへ相談します。
無理に本体カバーを開けたり、自分で電気部品を確認したりするのは避けましょう。
災害後に異音がする場合
地震や台風のあとに、
「今まで聞いたことがない音がする。」
という場合もあります。
例えば、
・振動音が大きくなった
・配管から音がする
・ヒートポンプユニットから異音がする
などです。
本体やヒートポンプユニットの位置がずれたり、配管に負荷がかかったりしている可能性もあります。
災害前にはなかった異音が続く場合は、状態を確認しましょう。
→ エコキュートの音・異音の原因は?正常な音と故障の見分け方
災害後に修理を依頼した方がいいケース
次のような場合は、自分で復旧させるより専門業者などへ相談することをおすすめします。
・貯湯タンクが傾いている
・配管が外れている
・大量の水漏れがある
・漏電遮断器が上がらない
・エラーコードが消えない
・浸水した
・焦げ臭い
・災害後から異音が続いている
・停電や断水が復旧しても沸き上げできない
特に電気系統や浸水に関する異常は、自分で分解して確認しないでください。
災害によるエコキュート故障の修理費はどれくらい?
修理費は故障した場所によって大きく異なります。
目安としては次のようなイメージです。
| 故障・修理内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| センサーなど軽微な部品 | 1万〜3万円程度 |
| 配管修理 | 2万〜6万円程度 |
| 基板など電装部品 | 3万〜8万円程度 |
| 冷媒系統 | 5万〜15万円程度 |
| ヒートポンプユニットの大きな故障 | 8万〜20万円以上になる場合も |
※実際の修理費はメーカー、機種、故障内容、出張費などによって異なります。
地震や落雷、台風などでは複数の箇所が同時に損傷する可能性もあるため、通常の経年故障より修理費が高くなる場合があります。
→ エコキュートの修理費はいくら?故障箇所別の費用相場を解説
災害による故障は火災保険が使えることもある?
災害によってエコキュートが故障した場合、加入している火災保険の契約内容や被害原因によっては補償対象になる可能性があります。
例えば、
・落雷
・風災
・水災
などが補償対象に含まれている契約があります。
ただし、すべての災害や故障が補償されるわけではありません。
経年劣化による故障は対象外となるのが一般的です。
また、地震による損害は通常の火災保険とは扱いが異なるため、加入している保険の補償内容を確認してください。
災害後に修理や交換が必要になった場合は、すぐ処分する前に、
・被害箇所の写真
・エラー表示
・修理見積書
・被害が発生した日時
などを記録しておくと、保険会社へ相談するときに役立つことがあります。
ヒートポンプ太郎災害後にエコキュートが壊れた場合、「古いから仕方ない」とすぐ交換する前に、故障原因を確認しておくことをおすすめします。
落雷や台風などが原因なら、加入している保険の契約内容によって扱いが変わる可能性があるためです。
まず写真などで状態を残し、そのうえで修理・交換を判断するとよいでしょう。
災害後に故障したら修理と交換どちらがいい?
地震や台風、落雷などのあとにエコキュートが故障した場合、
「修理した方がいい?」
「この機会に交換した方がいい?」
と迷うことがあります。
判断するときは、故障原因だけではなく使用年数や修理費も確認しましょう。
目安は次のとおりです。
| 状態 | 修理・交換の考え方 |
|---|---|
| 使用5年未満 | まず修理を検討 |
| 使用5〜10年程度 | 修理費と故障箇所で判断 |
| 使用10年以上 | 交換も含めて比較 |
| 軽微な部品交換 | 修理が有力 |
| 高額な修理が必要 | 交換費用とも比較 |
| 複数箇所が故障 | 交換も検討 |
| 過去にも故障している | 交換を検討しやすい |
特に10年以上使用しているエコキュートでは、今回故障した部分を修理しても、数年以内に別の部品が故障する可能性があります。
災害が直接の原因なのか、経年劣化が重なって故障したのかも含めて判断するとよいでしょう。
→ エコキュートの寿命は何年?10年超で確認したい交換サイン
修理費が高いなら交換見積もりも取っておく
例えば、10年以上使用しているエコキュートで10万円を超える修理見積もりが出た場合は、そのまま修理を決めるのではなく交換費用も確認しておくことをおすすめします。
修理すれば今回の故障箇所は直っても、エコキュート全体が新品になるわけではありません。
一方、交換すれば費用は大きくなりますが、本体やヒートポンプユニットなどをまとめて新しくできます。
「修理10万円だから交換より安い。」
と単純に判断するのではなく、
・現在の使用年数
・今回の修理費
・過去の故障回数
・今後何年使いたいか
を総合的に考えましょう。
→ エコキュート交換費用の工事費込み相場【2026年最新版】
災害に備えて平常時にやっておきたいこと
災害時のエコキュート対策は、災害が起きてから始めるものではありません。
平常時に少し確認しておくだけでも、停電や断水が発生したときの対応がかなり変わります。
特に確認しておきたいのは次の6つです。
| 平常時の備え | 確認すること |
|---|---|
| 取扱説明書 | 保管場所・スマホから確認できるか |
| メーカー・型番 | すぐ分かる状態にしておく |
| 非常用取水 | 位置と操作方法 |
| 漏電遮断器 | 位置を確認 |
| 本体周辺 | 傾き・水漏れなど普段の状態 |
| 飲料水 | エコキュートとは別に備蓄 |
メーカーと型番を記録しておく
災害時には取扱説明書がすぐ見つからないことがあります。
そのため、メーカーと型番をスマートフォンなどに記録しておくと便利です。
例えば、
「ダイキン EQ○○」
「三菱 SRT-○○」
「パナソニック HE-○○」
など、本体の型番が分かれば取扱説明書を探しやすくなります。
本体銘板を写真に撮って保存しておく方法もおすすめです。
非常用取水口を一度確認しておく
特に重要なのが非常用取水口です。
災害時に、
「確かエコキュートから水を出せるはず。」
と知っていても、取水口の場所が分からなければすぐには使えません。
一度、
・どこにあるのか
・どのカバーを開けるのか
・どのような手順なのか
を取扱説明書で確認しておきましょう。
ただし、実際の操作方法はメーカーや機種によって異なります。
インターネットで見た別メーカーの方法をそのまま自宅のエコキュートで試すのは避けてください。
飲料水は別に備蓄する
エコキュートの貯湯タンクがあるからといって、飲料水の備蓄が不要になるわけではありません。
タンク内の水は、災害時の生活用水として利用できる可能性がある一方、飲用についてはメーカーの取扱説明書に従う必要があります。
そのため、
飲む水は備蓄水、生活用水はエコキュートも活用
というように分けて考えると分かりやすいでしょう。
災害時のエコキュート対応チェックリスト
最後に、災害が起きたときの確認項目をまとめます。
- □ 自分と家族の安全を最優先する
- □ エコキュートが転倒・傾斜していないか確認
- □ 本体や配管から大量に水漏れしていないか確認
- □ 停電・断水情報を確認
- □ リモコンのエラーコードを確認
- □ 漏電遮断器が何度も落ちる場合は操作を繰り返さない
- □ 浸水したエコキュートへ自己判断で通電しない
- □ 非常用取水は取扱説明書に従う
- □ 断水復旧後は水道の状態を確認してから復旧する
- □ 異常があればメーカーや施工業者などへ相談する
このチェックリストを覚える必要はありません。
重要なのは、
「災害が起きたら、とりあえずエコキュートを動かす」のではなく、まず状態を確認すること
です。
ヒートポンプ太郎エコキュートは毎日使っている設備なので、災害時にも普段と同じ感覚で操作してしまいがちです。
しかし、地震による配管損傷や豪雨による浸水など、外から見ただけでは分からない異常もあります。
「いつもと違う」と感じた場合は、無理に使わないことも大切です。
よくある質問
Q. 停電するとエコキュートのお湯は全部なくなりますか?
いいえ。
停電しただけで、貯湯タンクの中のお湯がすぐになくなるわけではありません。
ただし、停電中は新しくお湯を沸かすことができません。
また、停電中に通常どおり給湯できるかは機種や給水状況などによって異なります。
Q. 停電中でもシャワーは使えますか?
機種や給水状況によって異なります。
タンクにお湯が残っていて断水していなくても、停電時には通常どおり給湯できない機種があります。
使用している機種の取扱説明書を確認してください。
Q. 断水してもタンクの水は使えますか?
機種によっては、貯湯タンク内の水を非常用取水口などから取り出せます。
通常の蛇口から使う方法とは異なる場合があるため、取扱説明書に従ってください。
Q. エコキュートのタンクの水は飲めますか?
非常用取水として取り出した水については、そのまま飲料水として利用する前提にはせず、メーカーの取扱説明書に従ってください。
飲料水はエコキュートとは別に備蓄しておくと安心です。
Q. 370Lのエコキュートなら370Lすべて非常用水として使えますか?
必ずしもそうとは限りません。
すでに使用したお湯の量やタンク残量、機種、被災状況などによって実際に取り出せる量は変わります。
370Lという数字は貯湯タンクの容量として考えてください。
Q. 地震後も普通にお湯が出れば使って大丈夫ですか?
お湯が出るだけでは判断できません。
貯湯タンクの傾き、配管の破損、水漏れなどがないか確認してください。
明らかな異常がある場合は使用を中止しましょう。
Q. 地震でエコキュートが少し傾いています。使えますか?
使用を続けず、専門業者などへ点検を依頼することをおすすめします。
貯湯タンクは重量があるため、固定部分や基礎、配管にも異常が発生している可能性があります。
Q. 台風でエコキュートが水につかりました。乾けば使えますか?
自己判断で電源を入れるのは避けてください。
内部の電装部品まで浸水している可能性があります。
メーカーや施工業者などへ相談しましょう。
Q. 落雷後に漏電遮断器を上げてもすぐ落ちます。何度か試しても大丈夫ですか?
何度も操作するのは避けてください。
漏電や電気系統の異常が発生している可能性があります。
→ エコキュートの漏電遮断器が上がらない原因と対処法
Q. 災害後にお湯が沸かなくなりました。故障ですか?
必ずしも故障とは限りません。
停電、時刻設定、給水状態、ブレーカーなどが原因の場合もあります。
ただし、エラーが出ている場合や停電・断水復旧後も沸き上げできない場合は故障も考えられます。
→ エコキュートでお湯がたまらない原因|湯切れ・沸き上げできないときの対処法
Q. 災害で故障したエコキュートは火災保険で直せますか?
災害原因と加入している保険の補償内容によっては対象になる可能性があります。
落雷、風災、水災などが補償される契約もあります。
一方で経年劣化は一般的に補償対象とはなりません。
地震による損害についても通常の火災保険とは扱いが異なるため、契約内容を確認してください。
Q. 10年以上使っているエコキュートが災害で故障しました。修理すべきですか?
10年以上使用している場合は、修理だけでなく交換費用も比較することをおすすめします。
特に修理費が高額になる場合や、過去にも故障している場合は交換が有力になることがあります。
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まとめ|エコキュートは災害時の生活用水として役立つこともある
以上、災害時にエコキュートは使えるのか、停電・断水・地震時の対処法について解説しました。
ポイントを整理します。
・停電中は基本的に新しくお湯を沸かせない
・断水中は通常どおり給湯できない場合がある
・貯湯タンクの水を非常用の生活用水として取り出せる機種が多い
・非常用取水の方法はメーカーや機種によって異なる
・タンクの水を飲料水として利用する場合はメーカーの説明に従う
・地震後はタンクの傾きや配管の水漏れを確認する
・浸水した場合は自己判断で再通電しない
・漏電遮断器がすぐ落ちる場合は何度も操作しない
・災害後に故障した場合は修理費と使用年数から修理・交換を判断する
エコキュートは停電するとお湯を沸かせなくなるため、災害に弱い設備と思われることがあります。
しかし、370Lや460Lといった大容量の貯湯タンクを持っていることは、災害時には一つのメリットにもなります。
大切なのは、災害が起きてから使い方を調べるのではなく、平常時に自宅のエコキュートの非常用取水方法を確認しておくことです。
取扱説明書を確認し、非常用取水口の位置だけでも家族で共有しておくとよいでしょう。
そして、災害後に水漏れや傾き、エラー、漏電遮断器の異常などが見つかった場合は、無理に使用しないでください。
使用年数が10年以上で高額な修理が必要になった場合は、修理だけでなく交換費用も比較してから判断することをおすすめします。